マイクロプラスチックで抜け毛は増える?薄毛の本当の原因
マイクロプラスチックが体内から見つかったというニュースを見て、「薄毛もそのせいでは」と不安になった方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、現時点で、マイクロプラスチックが男性型脱毛症(AGA)を引き起こすという臨床的な根拠はありません。
マイクロプラスチックとは?
マイクロプラスチックは、直径5ミリメートル未満のプラスチックの小さな粒子です。主な発生源には次のようなものがあります。
- レジ袋やペットボトルなどの劣化
- 合成繊維の衣類
- 工業活動や環境汚染
研究では、血液や肺、腸などからも検出されたと報告されています。ただし、「体内に存在する」ことと「病気の原因になる」ことは別の問題です。
薄毛の原因になる?
先ほどお伝えしたとおり、マイクロプラスチックが薄毛の原因だと示す臨床研究はありません。診察で見る薄毛の多くは、次のような要因によるものです。
- 遺伝(家族歴)
- 毛包がDHT(ジヒドロテストステロン)に反応しやすい体質
- 年齢
なぜ「関係がある」と言われるのか?
直接の根拠はないものの、理論上の可能性として次のような仕組みが議論されています。
| 考えられる仕組み | 内容 | 髪への影響 | 人での根拠 |
|---|---|---|---|
| 慢性的な炎症 | 体内で弱い炎症が続く可能性 | 毛包の環境に影響しうる | 確認されていない |
| 酸化ストレス | 活性酸素が増える可能性 | 毛周期に影響しうる | 確認されていない |
| 内分泌かく乱 | 可塑剤などの化学物質を含むことがある | ホルモンに影響しうる | 確認されていない |
いずれも可能性の段階で、実際に薄毛を起こすかどうかは分かっていません。
臨床で影響が見えにくい理由
AGAは複数の要因が関わりますが、中心にあるのはDHTと遺伝的な体質です。マイクロプラスチックについては、どれだけ体に取り込んでいるかを測るのが難しく、個人差も大きいため、仮に影響があったとしても、臨床で見分けるのは困難です。
本当に気をつけたいこと
診察室でよく見るのは、環境の話題に気を取られて、AGAの診察や治療を受けるタイミングが遅れてしまうケースです。
AGAには、医師の処方による内服薬・外用薬や植毛手術など、根拠のある選択肢があります。どれが合うかは、原因や進行の程度、年齢、毛包の状態によって変わります。
家族歴と薄毛の関係が気になる方は、薄毛は父方と母方どちらの遺伝?家族歴から見るAGAのリスクもあわせてご覧ください。
医師からのひとこと
新しい健康ニュースが気になるのは自然なことです。ただ、薄毛の原因は一人ひとり違います。私は生え際や頭頂部、毛の太さ、家族歴を確認し、今何が起きているのかを一緒に整理します。気になる変化があれば、早めにご相談ください。
本記事は一般的な医療情報であり、個別の診断に代わるものではありません。
医療情報の参考資料
マイクロプラスチックを避ければ抜け毛は止まりますか? +
マイクロプラスチックが薄毛の原因だと示す臨床的な根拠は、現時点ではありません。避けても、AGAなど他の原因による抜け毛は止まりません。
プラスチック容器の食品で髪は抜けますか? +
日常的な接触と抜け毛との直接の関係は確認されていません。
環境汚染で薄毛になりますか? +
十分な根拠はありません。男性の薄毛の多くは、遺伝と毛包のDHTへの反応のしやすさによるAGAです。
毛包に影響する可能性はありますか? +
炎症や酸化ストレスを通じて影響する可能性が理論上は指摘されていますが、人の薄毛との関係は証明されていません。
抜け毛が気になったら最初に何をすべき? +
原因を確かめることです。生え際や頭頂部の変化が気になる場合は、早めに医師に相談してください。
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本記事は呉文藝医師が監修・専門的なアドバイスを提供しています
呉文藝医師|萌髪植毛クリニック 院長
- ● 国際毛髪外科学会 ( ISHRS) FISHRS フェロー
- ● 米国毛髪外科専門医認定 ( ABHRS) 認定医
- ● 中華民国植毛医学会 ( TSHRS ) 現会長。