抜け毛は食事で改善できる?髪によい食べ物・栄養素と医師のアドバイス
髪によい食べ物は役に立つ?
「髪によい食べ物」とは、正確には髪の成長に必要な材料を体に届けることを指します。髪は主にケラチンというたんぱく質でできており、毛包が育つには十分なエネルギー、アミノ酸、鉄、亜鉛、ビタミンが欠かせません。
栄養不足が長く続くと、髪には次のような変化が出ることがあります。
- 髪が細くなる
- 切れやすくなる
- 洗髪時の抜け毛が増える
- 全体のボリュームが減る
ただし、すでに男性型・女性型脱毛症の影響を受けている場合や、頭皮の炎症、免疫の問題がある場合は、食事だけで解決できるとは限りません。
髪に必要な栄養素
1. たんぱく質:髪の主な材料
髪は主にケラチンでできています。たんぱく質が不足すると、体は重要な臓器を優先するため、髪の成長が後回しになりやすくなります。
主な食べ物:
- 卵
- 魚
- 鶏肉
- 豆腐
- 豆乳
- 枝豆
- 無糖ヨーグルト
2. 鉄:毛包へ酸素を運ぶのを助ける
鉄不足やフェリチン(貯蔵鉄)の低下は、女性、月経量が多い方、産後の方、菜食の方、長く食事制限をしている方によく見られ、髪全体が薄くなったり抜け毛が増えたりする原因になります。
主な食べ物:
- 赤身の肉
- 貝類
- 緑の濃い野菜
- 豆類
- ナッツ類
植物性の鉄は、キウイ、オレンジ、トマトなどビタミンCを含む食べ物と一緒にとると吸収されやすくなります。
3. 亜鉛:頭皮の代謝と細胞の修復を助ける
亜鉛は細胞の修復、頭皮の状態、毛包の代謝に関わります。不足すると頭皮や髪の質に影響することがありますが、とりすぎも体の不調につながることがあります。
主な食べ物:
- 牡蠣
- 魚介類
- 肉類
- かぼちゃの種
- ナッツ類
- 全粒穀物
4. ビタミンB・C・D・E:代謝と抗酸化を助ける
ビタミンB群はエネルギー代謝に、ビタミンCは鉄の吸収に、ビタミンDは毛包のサイクルと免疫の調整に関わり、ビタミンEは代表的な抗酸化栄養素です。
ただし、高用量を長く飲み続けることはおすすめできません。自己判断で補う前に、本当に不足しているかを確認しましょう。
抜け毛と関係の深い栄養素のまとめ
| 栄養素 | 髪への働き | 主な食べ物 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| たんぱく質 | ケラチンの材料になる | 卵、魚、肉、豆腐、豆乳、ヨーグルト | 食事制限や減量中の方は特に注意 |
| 鉄 | 毛包へ酸素を運ぶのを助ける | 赤身の肉、貝類、緑の濃い野菜、豆類 | 不足しているかは血液検査で確認 |
| 亜鉛 | 頭皮の代謝や細胞の修復に関わる | 牡蠣、魚介類、かぼちゃの種、ナッツ | とりすぎると副作用が出ることがある |
| ビタミン類 | 代謝、鉄の吸収、抗酸化を助ける | 野菜や果物、全粒穀物、卵、魚、ナッツ | 不足が分かってから、それに合わせて補う |
育毛サプリメントは飲むべき?
市販の育毛サプリメントの多くには、ビオチン、亜鉛、鉄、ビタミンD、アミノ酸、植物エキスなどが含まれています。もともと不足している場合は、補うことが役立つ可能性があります。
しかし不足していなければ、高用量で補っても髪が増えるとは限らず、男性型脱毛症、円形脱毛症、頭皮の病気の治療の代わりにもなりません。
注意したいこと:
- 広告の成分表示だけで判断しない
- 何種類ものサプリメントを同時に飲まない
- 鉄、亜鉛、ビタミンA・Dを自己判断で補わない
- 妊娠を考えている方、妊娠中の方、持病がある方、長く薬を飲んでいる方は、まず医師に相談する
健康的に食べているのに、なぜ抜け毛が続く?
抜け毛は必ずしも食事の問題ではありません。バランスよく食べていても、次のような原因で抜け毛が起こることがあります。
- 男性型脱毛症
- 女性型脱毛症
- 脂漏性皮膚炎
- 毛包炎
- ストレスや病気の後の休止期脱毛
- 産後の抜け毛
- 甲状腺の問題
- 薬の影響
- 遺伝的な体質
そのため、食事を整えても生え際の後退、頭頂部の薄毛、分け目の広がりが進んでいる場合は、サプリメントや様子見だけに頼らないことをおすすめします。
抜け毛が気になるときの1日3食の工夫
ポイントは、毎食十分なたんぱく質をとり、野菜、果物、全粒穀物を組み合わせ、低カロリー食や極端なダイエットを長く続けないことです。
朝食
おすすめ:
- 卵
- 無糖の豆乳
- 無糖ヨーグルト
- 全粒粉のパン
- 果物
昼食
おすすめ:
- 魚
- 鶏肉
- 豆腐
- 豆類
- 緑の濃い野菜
- 玄米やさつまいも
夕食
サラダだけで済ませず、十分なたんぱく質をとりましょう。組み合わせの例:
- 魚や豆腐
- 野菜
- 全粒穀物
- 根菜類
間食
おすすめ:
- ナッツ
- 枝豆
- 果物
- 乳製品
菜食の方、外食が多い方、月経量が多い方、急な減量をしている方、胃腸の吸収が弱い方は、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンB12、ビタミンDに特に気をつけましょう。
何を食べれば髪が生えますか? +
これを食べれば必ず髪が生える、という食べ物はありません。まずはたんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンB群・C・D・Eなどが足りているかを確認しましょう。すでに生え際の後退や頭頂部の薄毛がある場合は、男性型・女性型脱毛症などではないか、医師の評価を受けることが大切です。
鉄が不足すると抜け毛は増えますか? +
鉄不足やフェリチン(貯蔵鉄)の低下は、髪全体が薄くなる原因になることがあります。女性、月経量が多い方、産後の方、菜食の方に多く見られます。鉄の補充が必要かどうかは、血液検査を受けて医師と確認しましょう。
ビオチンで髪は増えますか? +
もともとビオチンが不足している場合は、補うことが役立つかもしれません。ただし多くの方は実際には不足しておらず、むやみに補っても髪が増えるとは限りません。抜け毛の原因は医師の診断で確かめましょう。
たんぱく質が不足すると抜け毛になりますか? +
たんぱく質やエネルギーの不足が長く続くと、毛包の成長サイクルに影響し、髪が細くなったり抜け毛が増えたりすることがあります。急な減量や食事制限をしている方、同じものばかり食べている方は特に注意が必要です。
健康的な食事をしているのに、なぜ抜け毛が続くのですか? +
抜け毛は食事だけで決まるものではありません。男性型・女性型脱毛症、頭皮の炎症、ストレス、産後、病気や薬の影響などでも起こります。抜け毛が続く場合は、受診して原因を確かめることをおすすめします。
どのくらい抜け毛が続いたら受診すべきですか? +
多い抜け毛が3か月以上続く場合や、生え際の後退、頭頂部の薄毛、部分的な脱毛斑、頭皮の赤みや痛みがある場合は、早めに抜け毛の専門外来を受診しましょう。
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本記事は呉文藝医師が監修・専門的なアドバイスを提供しています
呉文藝医師|萌髪植毛クリニック 院長
- ● 国際毛髪外科学会 ( ISHRS) FISHRS フェロー
- ● 米国毛髪外科専門医認定 ( ABHRS) 認定医
- ● 中華民国植毛医学会 ( TSHRS ) 現会長。